平成17年11月7〜15日、アフリカ・ウガンダで開かれた
ラムサール条約国際締結会議で、
ケラマ諸島(座間味村・渡嘉敷村)にある2ヶ所の海中公園が、
正式に認定された。
ケラマ諸島は近年、オニヒトデの異常発生などで島の周りのサンゴ礁の
健全な生息が危機的状況にあるが、地域漁協や沖縄県自然保護課の
力強い支援のもと海中公園(下図参照)はもちろんのこと、
サンゴ礁重要保全海域を5ヶ所にしぼり地元のダイビングサービスや
ダイバーたちのボランティアで、それらの水域へのオニヒトデの侵入を
徹底的に防いできた。
このようなオニとの戦いは、1998から10年近くも続いているわけだが、
特に最近の2002年から2006年まではオニの捕獲総数161.676匹、
のべダイバー人数7.786人、のべタンク数11.681本を数えている。
最近の研究では、沖縄本島周辺にサンゴの幼生(タマゴ)を供給する
元ともいわれ、ますます島々のまわりのサンゴ礁の重要性が増してきた。
ケラマ諸島・座間味村では、1901年(明治34)に沖縄県ではじめてカツオ漁を始め、
ケラマガチューの名声も得たが、その際のカツオ漁の生き餌となった
ジャコウ(キビナゴ)やウフミグァー(キンメやスカシ)を育んでいたのが、
けらま諸島内海のサンゴ礁であったことは容易に想像できる。
いま、海を生業として生きている私たちは、
その資源を正に先祖たちが大切に残してきてものを引き継いでいるわけだから、
自らが生を受けている間はもっとも大事にしなければならないものであり、
また、これらを子孫に伝えなければいけない宿命もあるだろう。
さて、世界的に危機が叫ばれているサンゴ礁だが、
人はどうすれば海を健全に育めるだろうか?
日々の生活上の注意点は沢山あるだろうが、
きわめて大ざっぱに乱暴に言えば、人が生きる為のエネルギーを
極力少なくすることではないだろうか?
表現はいろいろあるが、環境への負荷をへらすこと・・・ともいえる。
そして、言葉で表現したことを認識してそれらを実行することが大切になる。
座間味ダイビング協会、アカ・ゲルマダイビング協会では
ダイビングポイントのサンゴや生態系を人の一方的利用ではなく、
賢明にあるいは有効に持続的に活用するため
特に生態的にシビアのポイントには水中ブイや水面ブイを設置することや、
ポイントへのボート数制限を行うことで環境保護に取り組んでいる。
もちろん、月〜金のボランティアによるオニ退治をあわせて行っている。
海は皆のものであるが、その海を健全に育めるのは
そこで生活を共にする地域の人々であり、
空気を呼吸するように、しごくあたりまえの事だろう。 |